こんにちは、たける(@takerushima)です!
このページでは2021年の時事問題(重大ニュース)TOP11〜20を紹介&解説しています!
受験・就活・資格試験に出題されやすい時事問題をまとめましたので、皆さんの勉強にお役立てください。
元教員の社会科塾講師がポイントをわかりやすくまとめました!
なお、2021年の重大ニュースTOP10をまとめた記事はこちらです!(今回の内容はこちらの続きです)
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このページで紹介している時事問題は、中高生のみならず、就職活動の大学生や社会人のかたなど、多くの方々にご活用いただいています。ありがとうございます。
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このブログでは、社会科の勉強という観点から、試験などに出題されやすい時事問題をまとめています。用語の丸暗記にならないよう、ポイントを押さえながら学習していくことが可能です。
- 用語の丸暗記にならないようポイントも解説しています!
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2021年の時事問題TOP11〜20はこちら!
まずは押さえておくべき2021年の重大ニュースを見ておきましょう!
- 温室効果ガス46%削減を表明
- パリ協定にアメリカが復帰
- デジタル庁が発足
- 日本の総人口、世界11位に転落
- 核兵器禁止条約が発効
- イギリスがEUから完全に離脱
- 2022年1月にRCEPが発効
- 北京オリンピック「外交的ボイコット」
- ミャンマーで軍がクーデター
- 宇宙旅行の時代はじまる
色々な分野からの話題が入っています。どの話題も社会科や時事問題として出題されやすいテーマになっています。
それぞれがどんな話題だったのか、押さえておくべきポイントは何かを順番に確認していきましょう!
なお、2021年の重大ニュースTOP10はこちらで紹介しています!
【1】温室効果ガス46%削減を表明
2021年4月、菅義偉首相(当時)は、2030年度の温室効果ガスの削減目標を「2013年度に比べて46%削減する」という新たな目標の方針を表明しました。今まで「26%」としていた目標が大幅に引き上げられました。
菅義偉首相は、2020年に「2050年までに日本の温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」という「2050年カーボンニュートラル」を宣言していて、その目標の達成のために、2030年までに46%削減という新たな中間目標が設定された形です。
世界的には、2015年に採択されたパリ協定で「平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5℃に抑える」とする「1.5℃目標」が掲げられており、そのためには2030年までに温室効果ガスの排出量を2010年比で45%削減する必要があるとされています。このパリ協定と同レベルの目標を国内で設定したということになります。
2021年1月には、「2035年までに新車販売でガソリン車の販売を禁止する」という「2035年脱ガソリン車」の方針も政府は示しており、脱炭素社会実現に向けた取り組みが今後加速していくことになりそうです。
- 政府の方針:2030年・温室効果ガス46%削減、2035年・脱ガソリン車、2050年・カーボンニュートラル
- 気候変動に関する国際的な枠組み:パリ協定(2015年採択)で「1.5℃目標」
- 重要単元「地球環境問題」の内容は要確認です!(中学受験、中3公民)
気候変動対策に関わるこの話題は頻出です。脱炭素社会の実現へと社会は進む一方、資源に乏しい我が国はエネルギー分野でどう取り組んでいくのか、さらに主要産業である自動車産業のゆくえにも注目しておきたいです。
脱ガソリン車についても動画で解説しているのでぜひチェックしてください!
【2】パリ協定にアメリカが復帰
2021年、バイデン大統領就任とともに、アメリカはパリ協定へ復帰しました。トランブ前大統領の時に離脱していましたが、大統領の交代にともなって、再びアメリカがパリ協定へと戻ってきました。
パリ協定とは、2015年に採択された、2020年以降の気候変動対策の国際的な枠組みです。2020年までの枠組みだった京都議定書の後継となる協定で、上でも述べたとおり「平均気温の上昇を産業革命前に比べて1.5℃に抑える」とする「1.5℃目標」が掲げられています。その目標達成に向けて、世界の気候変動対策はこのパリ協定をもとに行われています。
- 1992年:国連環境開発会議(地球サミット)で気候変動枠組条約を採択
- 1997年:COP3(気候変動枠組条約締約国会議)で京都議定書を採択
- 2015年:COP21でパリ協定を採択
- 2021年:COP26で「1.5℃目標」を確認
- 離脱していたアメリカがパリ協定に復帰した
- 気候変動枠組条約・京都議定書・パリ協定の3点セットは超重要です!
パリ協定では平均気温の上昇を「2℃未満を目指し、できれば1.5℃に抑える」としてきました(2℃目標・1.5℃努力目標と呼ばれます)が、科学的な研究の結果、2℃目標では不十分であることがわかってきたため、2021年11月、新たに「1.5℃目標」が示されています。教科書や参考書では情報が古いままになっていることがありますから、気をつけてくださいね!
【3】デジタル庁が発足
2021年9月、菅義偉首相の重点政策の1つだった「デジタル庁」が発足しました。
デジタル庁は行政のデジタル化、行政手続きの迅速化などを目的に設置されました。2020年、新型コロナウイルス感染症流行の際、国民1人あたり10万円の給付が行われましたが、その際の給付手続きが複雑で、国民が給付金を手にするまでに時間がかかったことなどからデジタル庁発足の準備が急速に進められた背景があります。
デジタル庁は省庁の縦割りをなくし、行政のデジタル化を主導する役割を担っており、その主要な施策としてマイナンバーカードの普及促進が挙げられます。マイナンバーカードを多くの国民が保有することで、行政の手続きをオンラインで完結できるようにしようと考えています。
また、デジタル庁は、新型コロナウイルスのワクチン接種を証明するアプリ「ワクチンパスポート」の開発も担いました。
- 国内の全住民につけられた12桁の数字(マイナンバー)が記されたICカード
- 住民が申請すると発行される(2022年1月1日現在の普及率:41.0%)
- 普及促進のため、マイナポイント事業が行われている
- 健康保険証としての利用が始まり、今後は運転免許証と一体化することも検討
- 2021年、デジタル庁が発足した
- マイナンバーカードの普及促進や、ワクチンパスポートの開発などをおこなった
2022年に入っても、マイナンバーカードを普及させるための政策「マイナポイント事業」が行われています。マイナンバーカードとは何なのかを考えてみると良いでしょう。
【4】日本の総人口、世界11位に転落
2020年国勢調査の人口速報値が公表され、日本の総人口は約1億2622万人であることがわかりました。2005年ごろから日本の人口は減少傾向にあり、今回の数値も前回に比べて少なくなっています。
国連推計による世界各国の人口と比較すると、日本の人口は世界第11位となりました。今まで世界第10位でしたがメキシコに抜かれ、ランキングが後退ということになりました。
- 日本は少子高齢化がすすむ人口減少社会
- 少子化:子どもの人口は40年連続で減少(2021年現在)
- 高齢化:高齢者の割合は29.1%で世界最高(2021年現在)
- 第1位:中華人民共和国(中国)(約14.3億人)
- 第2位:インド(約13.7億人)
- 第3位:アメリカ合衆国(約3億人)
- 第4位:インドネシア
- 第5位:パキスタン
- 第6位:ブラジル
- 第7位:ナイジェリア
- 第8位:バングラデシュ
- 第9位:ロシア連邦
- 第10位:メキシコ
- 第11位:日本
- 日本の人口は減少しており、世界第11位に後退した
- 日本の人口問題は頻出!少子化や高齢化とは何か記述できるようにしておこう
- 世界の人口ランキングも地理で頻出。高校生以上はTOP11を知っておこう
人口に関する話題は毎年のように出題される頻出テーマです。少子高齢化とは何かを知っているだけではなく、わが国はこの問題をどう解決すべきだろうか?どのような取り組みを行うべきだろうか?という自分なりの意見を述べられるようにしておきましょう。
【5】核兵器禁止条約が発効
2021年1月、核兵器に関する新しい条約が発効しました(2017年採択)。核兵器禁止条約は核兵器そのものを禁止する条約で、核兵器の製造・保有・使用を禁止しているのみならず、核兵器を威嚇のために使用することも禁止した内容であることが特徴的です。
今までの核兵器に関する条約では、核実験や核拡散は禁止されてきましたが、核兵器そのものは違法とはされていませんでした。しかし、核軍縮のための新たな一歩としてこれまでにない内容を盛り込んだ条約が発効されました。
核兵器禁止条約では、核兵器の使用が人道的被害をもたらすことを示すため、条約のなかでhibakusya(被ばく者:広島・長崎への原爆投下で被ばくした人を示している)という単語が用いられたことも特徴の1つです。
一方で、核兵器を保有しているアメリカ・ロシアといった国々や、核兵器を持つ国の核抑止力に依存している日本などはこの条約に署名をしていません。日本も核兵器廃絶を訴えていますが、具体的にどのように取り組んでいくのか、解決していく課題も多くあります。
- 1963年:部分的核実験禁止条約(PTBT)
- 1968年:核拡散防止条約(NPT)
- 1996年:包括的核実験禁止条約(CTBT)
- 2017年:核兵器禁止条約
- 核兵器禁止条約は核兵器を違法とした点が特徴的
- 条約のなかでhibakusyaという単語が用いられている
- 重要単元「核問題・軍縮」の内容を再確認しておきましょう!
2022年に入るとロシアによるウクライナ侵略が発生し、ロシアの核兵器使用の懸念が高まっています。実際に核兵器を使用していなくても、すでに核に関する秩序を乱しており、世界はあらためて核兵器のあり方を突きつけられています。
【6】イギリスがEUから完全に離脱
2020年12月31日午後11時をもってイギリスはEU(ヨーロッパ連合)からの離脱を完了し、2021年を迎えました。EUから離脱をするのはイギリスが初めてで、長く続いてきたヨーロッパの共同体が新たな局面を迎えました。
EUを離脱したイギリスは、自由貿易協定などを各国と結んでおり、2021年2月にはTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への加入を申請しました。イギリスのジョンソン首相はインド太平洋地域への関与を拡大する方針をとっており、日本が主導するTPPという枠組みが今後拡大していく可能性があります。
イギリスはEU脱退決定後、主要国で初めて日本と貿易協定を結ぶなど、日本とイギリスの関係も強固になりつつあります。EUを離脱したイギリスがどういった国々と経済的な結びつきを強めていくことになるのかも今後注目です。
- 1993年に誕生したヨーロッパ諸国による政治・経済的な共同体
- 現在の加盟国数:27カ国(イギリスは含まれていない)
- 共通通貨:ユーロ
- イギリスはEUを完全に離脱した(Brexit:ブレグジット)
- イギリスはTPPに加盟申請をおこなった
TPPをめぐっては、2月のイギリス加盟申請のほか、9月に中国・台湾、12月にエクアドルがそれぞれ加盟申請をおこなっています。日本主導のTPP11の動きとともに、RCEPなど他の経済連携協定の動きにも注目です。
【7】2022年1月にRCEPが発効
2022年1月、RCEP(地域的な包括的経済連携)協定が新たに発効しました。
RCEPは中国が主導して作った経済連携協定で、日本・中国・韓国のほか、ASEAN(東南アジア諸国連合)10カ国や、オーストラリア・ニュージーランドの計15カ国が参加しています。日本にとっては、中国や韓国と初の経済連携協定になることもポイントです。
また、経済連携協定とは自由貿易を推進していくための協定の1つで、物品の関税のみならず、ヒト・モノ・カネの移動の自由化を図る協定のことを言います。RCEPの発効で、GDP・貿易額・人口それぞれ世界の約3割を占める、世界最大級の自由貿易圏になると言われています。
同じ経済連携協定では、日本が主導しているTPP(環太平洋パートナーシップ協定)もあり、今後、TPP・RCEPがそれぞれどのように広がっていくのか、注目されています。
- RCEP(地域的な包括的経済連携)協定が新たに発効した
- RCEP加盟国:日中韓+ASEAN+豪NZの15カ国
- TPPとRCEPは高校「地域的経済統合」という単元で扱われる内容です。高校生は要チェック!
21世紀に入ると、自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)を結んで自由貿易をおこなっていく動きがさかんになります。TPPやRCEPは日本も参加する自由貿易の大きな枠組みになるということで入試などでも問われやすいです。聞き慣れなくともその意味を理解しておきましょう。
【8】北京オリンピック「外交的ボイコット」
2022年2月から実施される北京オリンピック・パラリンピックについて、アメリカやイギリスなどが「外交的ボイコット」することを表明しており、注目が集まっています。
外交的ボイコットとは、北京オリンピック・パラリンピック期間中に、開会式などの式典に政府首脳や政府関係者を派遣しないことで、話題になっている中国の新疆ウイグル自治区での人権問題をめぐって、人権侵害を認めないという強いメッセージを国内外に示すための外交手段です。
中国の新疆ウイグル自治区にはイスラム教を信仰するトルコ系民族のウイグル族が多く生活をしていますが、ウイグル族に対し、中国共産党が100万人以上もの人を強制収容したり、思想教育や不妊手術などをおこなっていることが指摘されており、2021年、アメリカはジェノサイド(集団殺害・集団殺戮)と認定していました。
日本も「外交的ボイコット」という言葉こそ使っていませんが、事実上政府首脳の派遣を見送り、アメリカ・イギリスなどと足並みを揃える方針です。
- 北京オリンピックで一部の国が「外交的ボイコット」を行う
- 日本も同様の対応を行った
- 背景には新疆ウイグル自治区での人権問題がある
北京オリンピックの開会式では、ウイグル族の選手が最終聖火ランナーを務めました。欧米の批判をかわす狙いがあるとみられますが、その方法が「挑発的」との声も上がりました。
【9】ミャンマーで軍がクーデター
2021年2月1日、ミャンマーで軍によるクーデターが発生し、軍による支配が行われるとともに、軍に抵抗する抗議活動が続いています。
クーデターとは、軍などの支配勢力の一部が、暴力的な方法や武力などを用いて非合法的に政治を行う権利(政権)を奪うことを言います。かつて軍事政権だったものの、近年は民主化が進められていたミャンマーで、軍が再び力を持とうとクーデターを起こしました。
ミャンマーの民主化を指導し、民主化政権では国の最高指導者を務めたアウン・サン・スー・チー氏はクーデターを受けて軟禁生活を強いられており、軍による市民への弾圧は今なお続いています。
- ミャンマーで軍によるクーデターが発生をした
- アウン・サン・スー・チー氏は軟禁を強いられ、軍による市民弾圧が続いている
2021年・2022年と、民主主義は何なのかを問われる出来事が相次いでいます。ミャンマーでは軍vs民主派の構図が長く続いており、今回も歴史が繰り返された形です。しかし軍によって多数の市民が殺害されており、その行いは決して許されるものではありません。
【10】宇宙旅行の時代はじまる
2021年は多くの民間人が宇宙旅行する時代になりました。
例えば、アメリカのAmazon創業者ジェフ・ベゾスさんは7月、自身の保有する宇宙企業「ブルー・オリジン」の初の有人飛行に登場し、短時間の宇宙旅行に成功しました。
さらに、日本の実業家である前澤友作さんと前澤さんのマネージャーを務める平野陽三さんは12月、ロシアの宇宙船「ソユーズ」で国際宇宙ステーション(ISS)へ渡航、12日間の滞在をしたことは国内でも大きな話題となりました。
また、近年は日本人宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに滞在していたことも知っておきましょう。2020年11月から野口聡一さん、2021年4月から星出彰彦さんが、それぞれ約半年間国際宇宙ステーションで活動していました。
野口さん・星出さんは、アメリカのスペースX社の開発した民間宇宙船「クルードラゴン」で国際宇宙ステーションへ渡航しました。民間宇宙船で宇宙に行く時代になっています。
- 前澤友作さんら民間人が宇宙旅行に行った
- 日本人宇宙飛行士・野口聡一さん、星出彰彦さんが国際宇宙ステーションに滞在していた
- スペースX社の宇宙船「クルードラゴン」が運用されている
2021年は宇宙に関する話題が1年を通じて多く報道されている年でした。宇宙に関する話題は理科でも出題されますから、理科・社会ともにポイントを確認しておいてくださいね。
時事問題の学習で大切なこと
受験・入試での時事問題の勉強というと、とにかく「大事な用語を覚えよう」となりがちですが、それだけでは十分な学習とは言えません。
出題者は決して、「どれくらい用語を知っているのか」という知識量だけを知りたいのではなく、「いかにニュース・世の中に興味を持てているのか」「みずから学ぶ姿勢を持っているか」という学習姿勢も測るために時事問題を出題することが多いからです。
- ニュースや世の中に興味・関心を持つことができているのか
- 一部の分野だけでなく、さまざまな話題に興味・関心を持っているか
- みずから積極的・能動的に調べ、学び続ける姿勢を持っているか
- 深い学びをできているか(課題が何かを認識し、その解決策を考えることができているか)
教員のとき、実際に時事問題を出題していましたが、知識を問うだけでは出題する意味があまりなくなってしまうんですよね…(クイズのようになってしまい学習の本質から外れてしまうことが多いんです。)
ですから、時事問題を勉強する際は、ひとつひとつの時事問題について、みずから主体的に興味や関心を持って、今の世の中で一体何が起きているのかを学ぼうとする姿勢が大切です。
重要な用語を押さえることはもちろん、わからないと思ったことは調べてみたり、「なぜ?」という観点を持って日々のニュースに触れようとするその姿勢こそが、時事問題の学習を深めることになります。
- 重要な用語は覚えるだけでなく、意味も理解しておく
- 内容や用語でわからないことがあれば調べて理解しようとする
- ひとつひとつの時事問題について、自分なりの意見や考え方を持ってみる
そういった学びの助けになるよう、大切なポイントをこの記事でまとめましたから、ぜひそれらを参考に勉強してみてください。
また、同じテーマの内容を、より詳しく動画で学べるよう、YouTubeに動画をアップしているので、こちらも見てみてください。