こんにちは、たける(@takerushima)です!
このページでは2022年5月下旬の時事問題を紹介&解説しています!
2022年5月16日〜31日までに起きた出来事のうち、受験・就活・資格試験に出題されやすい時事問題をまとめましたので、皆さんの勉強にお役立てください。
元教員の社会科塾講師がポイントをわかりやすくまとめました!
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このページで紹介している時事問題は、中高生のみならず、就職活動の大学生や社会人のかたなど、多くの方々にご活用いただいています。ありがとうございます。
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このブログでは、社会科の勉強という観点から、試験などに出題されやすい時事問題をまとめています。用語の丸暗記にならないよう、ポイントを押さえながら学習していくことが可能です。
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2022年5月下旬の時事問題はこちら!
まずは押さえておくべき2022年5月下旬の時事問題を見ておきましょう!
- 愛知県の明治用水で大規模な漏水
- 北欧2カ国が正式にNATO加盟申請
- 新型コロナ関連:
政府、マスク着用を緩和する見解
新型コロナワクチン、4回目接種始まる - バイデン大統領が来日、日米首脳会談
- クアッド首脳会合を東京で開催
- 世界の難民・避難民が1億人を超える
- 最高裁「違憲立法審査権」で違憲と判断
それぞれがどんな話題だったのか、押さえておくべきポイントは何かを順番に確認していきましょう!
2022年5月上旬の時事問題はこちらで紹介しています!
【1】愛知県の明治用水で大規模な漏水
5月17日、愛知県豊田市の取水施設で大規模な漏水が発生していることがわかりました。
矢作川から明治用水への取水ができず、農業用水・工業用水の供給が止まる事態になっています。このあたりは自動車工業が多く行われている場所で、工場への影響が発生したほか、農業では田植えのシーズンと重なり稲作への影響も出ています。
- 愛知用水:木曽川から知多半島へ
- 明治用水:矢作川から岡崎平野へ
- 豊川用水:天竜川から渥美半島へ
- 愛知県豊田市の取水施設で大規模な漏水が発生した
- 矢作川から明治用水への取水ができなくなった
愛知県と「水」の関係は、特に中学受験では頻出な話題になっています。
今回は愛知県の三大用水の1つで発生した漏水であり、また、漏水の規模が大きく、完全な復旧までには1ヶ月以上要する見込みでもあるため、大きな話題になっています。
【2】北欧2カ国が正式にNATO加盟申請
ウクライナ情勢をめぐって5月18日、フィンランド・スウェーデンの北欧2カ国が正式にNATO(北大西洋条約機構)への加盟を申請しました。
フィンランドとスウェーデンの2カ国は、第二次世界大戦以降、中立的な政策を採用してロシアとの関係を維持してきました。地理的にロシアに近く、とりわけフィンランドは約1300kmにわたってロシアと国境を面している国だからです。
しかし、今回のロシアによるウクライナ侵略を受けて今まで続けてきた政策を大きく転換し、ロシアという脅威に備えるためにNATOに加盟することで新たな安全保障のあり方を採用しようとしました。
実際にNATOに加盟するまでには数ヶ月程度は手続きに時間がかかると見られています。
- フィンランド・スウェーデンがNATOへの加盟を申請した
- 北欧2カ国は今までの中立的な政策を大きく転換させた
NATOの拡大を嫌っていたロシアですが、自身の行いによってNATO加盟国を増やす結果を招くことになりそうです。
2月から発生しているロシア・ウクライナ戦争は、今後のヨーロッパの安全保障のあり方を大きく変え得る転換点になる可能性があります。今回の出来事はその1つになるかもしれません。
【3】新型コロナ関連:マスク着用を緩和する見解、ワクチン4回目接種始まる
5月23日、政府は新型コロナ対策の「基本的対処方針」を変更して、そのなかでマスクの着用に関する考え方を緩和しました。オミクロン株による第6波が落ち着きつつあり、また気候が暖かくなり熱中症の危険性が高まることなどがその背景にあります。
この基本的対処方針の変更を受けて文部科学省は、体育の授業や運動部部活動、登下校の際などにマスク着用の必要がなくなるとしています。
- 屋外で、人との距離が確保できる場合
- 屋外で、人との距離が確保できなくても、会話をほとんど行わないような場合
- 屋内で、人との距離が確保できて、会話もほとんど行わないような場合
- 2歳以上の就学前の子どもには、他者との距離に関わらず一律の着用を求めない
また5月下旬から、準備の整った自治体で新型コロナワクチンの4回目接種が開始されています。
4回目接種は重症化予防に効果があるとされていることから、重症化リスクが高いとされる60歳以上の人や、基礎疾患のある18歳以上が対象となっています。この条件に当てはまらない人は、接種を受けることはできません。
また、アメリカの「ノババックス」製ワクチンが先月承認されたことを受けて、このワクチンでの接種も始まりました。
- ファイザー社
- 武田/モデルナ社
- アストラゼネカ社
- 武田社(ノババックス製)
- 基本的対処方針が変更されマスクの着用が緩和された
- 準備の整った自治体から4回目接種が始まった
- ノババックス製ワクチンの接種も始まった
【4】バイデン大統領が来日、日米首脳会談
アメリカのバイデン大統領は5月22日から24日の日程で来日し、日米首脳会談などが開かれました。ポイントを順番に紹介していきます。
まず第一に、バイデン大統領と岸田文雄首相によって、日米同盟が再確認されました。現在、ロシアによるウクライナ侵略が発生しているほか、軍事・経済的に台頭している中国の存在や核・ミサイル開発を進める北朝鮮の存在があることから、特に「拡大抑止」の強化に向けて協議を行うことになりました。
第二に、日本が防衛力を強化する意向を表明しました。そのために防衛額を増額する方針を示し、アメリカもそれを支持しました。防衛費は今まで慣例としてGDP比1%程度の水準に抑えられてきましたが、今後、GDP比1%以上の防衛額となっていく可能性があります。
第三に、このタイミングでバイデン大統領はIPEF(インド太平洋経済枠組み)の立ち上げを発表しました。IPEFとは新しい経済連携の枠組みのことで、影響力を強める中国に対抗し、インド太平洋地域にアメリカが関与するための枠組みにしたいという思惑があると見られています。
日本としては、アメリカにはかつて脱退したTPP(環太平洋パートナーシップ協定)に復帰を求める立場をとっていますが、アメリカ国内の世論はTPP復帰への反対が根強い状況で、先の見通しは立っていません。
経済連携協定をめぐっては、中国が主導したRCEP(地域的な包括的経済連携)協定もあり、それぞれの枠組みの動きには今後も注目です。
- バイデン大統領が来日し、日米首脳会談が行われた
- 日米同盟の再確認や、日本の防衛力強化が支持された
- アメリカはIPEF(インド太平洋経済枠組み)の立ち上げを発表した
【5】クアッド首脳会合を東京で開催
バイデン大統領の来日に合わせて、5月24日にクアッド首脳会合が東京で開催されました。
クアッドとは、日本・アメリカ・オーストラリア・インドの4カ国による枠組みのことで、自由・民主主義・法の支配といった基本的な価値観を共有している4カ国で、安全保障や経済などについて協議するものです。
4カ国の首脳が東京に集まり会合が開かれましたが、オーストラリアではこの直前に総選挙が実施され、9年ぶりとなる政権交代が起きていました。よって今回の会合にはアルバニージー新首相が参加しました。
- 日本:岸田文雄首相
- アメリカ:バイデン大統領
- オーストラリア:アルバニージー首相
- インド:モディ首相
- 東京でクアッド首脳会合が開かれた
- クアッドとは日本・アメリカ・オーストラリア・インドの4カ国による枠組みのこと
クアッドは、中立的な立場をとるインドを日米側に引き止めておく(ロシア側に行かないようにする)意味合いの強い枠組みとされています。事実、インドはこれまでウクライナ侵略を行うロシアに制裁を行っていません。
そのため、クアッド首脳会合の内容自体は、インドの立場に配慮したものとなっており、とりわけ押さえておくべき合意などは出てきにくくなっています。
まずはこういった枠組みがあることを知っておきましょう。
【6】世界の難民・避難民が1億人を超える
5月23日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は世界の難民・避難民の人数が初めて1億人を超えたと発表しました。
これは今年2月からのロシアによるウクライナ侵略の影響で避難を強いられる人が急増した結果であり、あってはならない記録だと深刻に受け止められています。
- 1951年「難民の地位に関する条約」(難民条約)などに規定
- 難民条約での定義:人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由に迫害を受けるという十分に理由のある恐怖のために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けられない者(など)
- 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、世界の難民・避難民の数が1億人を超えたと発表した
- 難民の定義は1951年「難民の地位に関する条約」などで規定されている
条約上の定義は上に記したとおりです。日本のメディアなどでは、この条約上の「難民」との区別をつけるため、この定義に当てはまらない(可能性のある)人を「避難民」としています。
例えば、家を追われたが自国内に留まっている人はこの定義には当てはまりませんし、ロシアのウクライナ侵略で国外に逃れた人は、「人種、宗教、国籍、政治的意見を理由に迫害を受け」たとは言えないとの理由で、避難民と呼ばれることが多くなっています。
【7】最高裁「違憲立法審査権」で違憲と判断
最高裁判所は5月25日、在外邦人が最高裁判所裁判官の国民審査で投票を認められていないのは憲法違反だとする判断を下しました。最高裁判所が違憲立法審査権(法令審査権)で法令を違憲と判断したのは11例目となります。
違憲立法審査権とは、国会によって作られた法律などが憲法に違反していないか判断する権限のことで、その最終的な決定権を最高裁判所が持っています。日本国憲法第98条で「国の最高法規」とされている憲法に、法律が反しているかどうかを判断するため、最高裁判所は「法の番人」とも呼ばれています。
また、最高裁判所裁判官の国民審査とは、衆議院議員総選挙の時に同時に実施される、辞めさせたいと思う裁判官の氏名欄にバツ印をつけて、有効投票の半数を超えた裁判官は罷免となる制度のことです。最高裁判所は違憲立法審査権という強い権限を持っているからこそ、主権者である国民が裁判官を審査するために設けられています。
今回の裁判では、在外邦人に最高裁判所裁判官の国民審査を認めていない国民投票法は日本国憲法第15条に反すると最高裁判所は判断しました。主権者である国民の権利を最高裁判所は重視したと言えます。
- 在外邦人が最高裁判所裁判官の国民審査で投票を認められていないのは憲法違反と判断された
- 最高裁判所は違憲立法審査権で違憲の判断を下した
- 重要単元「国民主権」「裁判所」などは要チェック!
中3公民で習う内容が、とても盛りだくさんに出てくる話題でした。
違憲立法審査権も最高裁判所裁判官の国民審査も、根底には国民主権という憲法の三大原則のうちの1つを守るための大切な権限であることがわかると思います。
ぜひ裁判所の持つ権限について、教科書で今一度整理をしておきましょう。
時事問題の学習で大切なこと
受験・入試での時事問題の勉強というと、とにかく「大事な用語を覚えよう」となりがちですが、それだけでは十分な学習とは言えません。
出題者は決して、「どれくらい用語を知っているのか」という知識量だけを知りたいのではなく、「いかにニュース・世の中に興味を持てているのか」「みずから学ぶ姿勢を持っているか」という学習姿勢も測るために時事問題を出題することが多いからです。
- ニュースや世の中に興味・関心を持つことができているのか
- 一部の分野だけでなく、さまざまな話題に興味・関心を持っているか
- みずから積極的・能動的に調べ、学び続ける姿勢を持っているか
- 深い学びをできているか(課題が何かを認識し、その解決策を考えることができているか)
教員のとき、実際に時事問題を出題していましたが、知識を問うだけでは出題する意味があまりなくなってしまうんですよね…(クイズのようになってしまい学習の本質から外れてしまうことが多いんです。)
ですから、時事問題を勉強する際は、ひとつひとつの時事問題について、みずから主体的に興味や関心を持って、今の世の中で一体何が起きているのかを学ぼうとする姿勢が大切です。
重要な用語を押さえることはもちろん、わからないと思ったことは調べてみたり、「なぜ?」という観点を持って日々のニュースに触れようとするその姿勢こそが、時事問題の学習を深めることになります。
- 重要な用語は覚えるだけでなく、意味も理解しておく
- 内容や用語でわからないことがあれば調べて理解しようとする
- ひとつひとつの時事問題について、自分なりの意見や考え方を持ってみる
そういった学びの助けになるよう、大切なポイントをこの記事でまとめましたから、ぜひそれらを参考に勉強してみてください。
また、同じテーマの内容を、より詳しく動画で学べるよう、YouTubeに動画をアップしているので、こちらも見てみてください。