こんにちは、たける(@takerushima)です!
このページでは2022年6月上旬の時事問題を紹介&解説しています!
2022年6月1日〜15日までに起きた出来事のうち、受験・就活・資格試験に出題されやすい時事問題をまとめましたので、皆さんの勉強にお役立てください。
元教員の社会科塾講師がポイントをわかりやすくまとめました!
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このページで紹介している時事問題は、中高生のみならず、就職活動の大学生や社会人のかたなど、多くの方々にご活用いただいています。ありがとうございます。
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このブログでは、社会科の勉強という観点から、試験などに出題されやすい時事問題をまとめています。用語の丸暗記にならないよう、ポイントを押さえながら学習していくことが可能です。
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2022年6月上旬の時事問題はこちら!
まずは押さえておくべき2022年6月上旬の時事問題を見ておきましょう!
- 新型コロナの水際対策を緩和
- 日本のSDGs達成度、19位に
- トルコ、国連での表記「テュルキエ」に
- 政府、夏に7年ぶりの節電要請
- 日本、国連安保理の非常任理事国に選出
- 小惑星「リュウグウ」の砂に大量の水
- 一時1ドル=135円台の円安、23年ぶり
- 通常国会が閉会
- 岸田首相、「内閣感染症危機管理庁」創設へ
それぞれがどんな話題だったのか、押さえておくべきポイントは何かを順番に確認していきましょう!
【1】新型コロナの水際対策を緩和
政府は6月1日、新型コロナウイルスの水際対策を緩和し、1日あたりの入国者数の上限を2万人に引き上げました(今までは1万人)。また、ウイルスを持ち込むリスクの低い国・地域からの入国者には入国時の検査を行わず、自宅待機も求めないことになりました。
政府はこれまで、日本への全ての入国者に空港での検査を実施してきましたが、その方針を大きく転換し、水際対策を大幅に緩和することとなりました。
また、10日には約2年ぶりに外国人観光客の受け入れを再開しました。当面の間、ウイルスを持ち込むリスクの低い国・地域からの、添乗員付きのツアー客に限定して受け入れが再開されます。
新型コロナウイルス感染症によって大きく影響を受けていた観光業・宿泊業の業績回復に向けて期待が高まっています。
- 水際対策が緩和され、入国者数の上限が1万人→2万人に引き上げられた
- 約2年ぶりに外国人観光客の受け入れが再開された
オミクロン株による第6波が落ち着きつつあり、政府は観光促進を模索しています。国内向けの観光支援策「Go To トラベル」の再開時期も模索中と報道があり、感染状況や新たな変異株の登場などに備えつつ、観光業を含めて経済回復に向けてどのように政策を実行していくことになるのか、ポイントです。
【2】日本のSDGs達成度、19位に
6月2日、国連の研究組織が各国のSDGs(持続可能な開発目標)の達成度合いをまとめたレポートを発表し、日本は163カ国・地域中19位となりました。昨年は18位で、ランクを1つ落としました。
日本の内訳は、SDGsの17の目標のうち「ジェンダー平等」や「気候変動対策」など6つが最低評価だった一方、「質の高い教育」「平和と公正」など3つが最高評価でした。
- SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のこと
- 2030年までに持続可能でよりよい世界を目指すための国際的な目標
- 2015年に国連で採択
- 17の目標と169の達成基準で構成されている
- 先進国と発展途上国が一体となって取り組むことになっていることが特徴
- 日本のSDGs達成度は世界19位(昨年は18位)だった
- 中3で学習する「地球環境問題」「持続可能な開発」などの単元は要確認!
テレビなどでもよく取り上げられている通り、SDGsは今押さえておくべき重要用語の1つです。社会科として知っておきたい登場までの流れはYouTubeで解説しているので要チェックです!
【3】トルコ、国連での表記「テュルキエ」に
トルコ政府は国連に、国連での国名表記を「Turkey(ターキー)」ではなく「Turkiye(テュルキエ、Türkiyeとも)」にするよう要請を出し、国連が同意しました。今後、トルコの英語表記(スペル)が「Turkiye」に差し替えられていくことになりそうです。
トルコはブランド価値の刷新のため、昨年12月に自国の英語表記を変更することを決定しており、今回もその動きの一環です。
- トルコの国連での英語表記が「Turkie(Türkiye)」に変わった
国名「Turkie」の語源はトルコ人の国という意味ですが、この単語には七面鳥という意味もあります(中学英語で習いますね)。
これは、かつて七面鳥(に似た鳥)がトルコ経由でヨーロッパに輸入されたことに由来しているそうです。
国名が七面鳥と混同されることを嫌っての表記変更だとも言われています。
【4】政府、夏に7年ぶりの節電要請
政府は6月7日、今年の夏と冬の電力需給が極めて厳しい状況にあるため、企業や家庭に節電を要請しました。節電要請は2015年以来7年ぶりのことです。
夏の節電要請は7月〜9月の3ヶ月間で、エアコンの室内温度を28度にしたり、不要な照明は消したりするなど、さらに太陽光発電の出力が減る午後5〜8時ごろの節電を呼びかけています。
節電要請の背景には、老朽化した火力発電所の休止・廃止や、3月の福島県沖地震で大型の火力発電所が被害を受けたことなどによって電力の供給力が低下していることが挙げられます。
- 今年夏(7月〜9月)、7年ぶりの節電要請
- 背景には火力発電所の休廃止や3月の福島県沖地震の影響
エネルギーをめぐっては、2011年3月11日の東日本大震災以降、原子力発電のあり方が議論されているほか、世界的な脱炭素の動きによって火力発電所の供給力が低下していること、さらにロシアによるウクライナ侵略を受けてエネルギー供給が不安定になっていることなど、押さえるべきポイントが多くあります。
また、エネルギーのあり方についても自分なりの意見は持っておきたいですね。
【5】日本、国連安保理の非常任理事国に選出
6月9日、国連で安全保障理事会の非常任理事国を改選する選挙が行われ、非常任理事国の1つに日本が決まりました。日本が非常任理事国を務めるのは2017年以来12回目でその数は国連加盟国最多、任期は2023年1月から2年間です。
国連の非常任理事国は、アジア太平洋グループ・アフリカグループ・ラテンアメリカグループ・東欧グループからそれぞれ選ばれることになっており、今回アジア太平洋グループからは日本のみが立候補、事実上の信任投票となりました。
- 安全保障理事会は常任理事国5カ国+非常任理事国10カ国の計15カ国で構成
- 常任理事国はアメリカ・イギリス・フランス・中国・ロシア
- 非常任理事国の任期は2年、毎年半数を改選
- 安保理での決定には基本的に5常任理事国を含む9カ国の賛成投票が必要で、常任理事国が1カ国でも反対したらその決議は否決される。この常任理事国の反対投票を「拒否権」と呼ぶ。
- 2022年の非常任理事国:インド、ケニア、メキシコ、アイルランド、ノルウェー、アルバニア、ブラジル、ガボン、ガーナ、アラブ首長国連邦
- 2023年の非常任理事国:日本、モザンビーク、エクアドル、マルタ、スイス、アルバニア、ブラジル、ガボン、ガーナ、アラブ首長国連邦
安全保障理事会をめぐっては、ロシアによるウクライナ侵略でロシアが拒否権を行使しており、その機能不全が問題になっています。
日本はかねてから安保理改革を訴えていますが、国によって改革の方向性が異なり、その具体的な道筋は立っていません。
現在の国連という枠組みを現実的にいかに活用していくのかを含めて、自分なりに国際社会のあり方を考えてみると良いでしょう。
【6】小惑星「リュウグウ」の砂に大量の水
2020年12月に小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星「リュウグウ」のサンプルの分析結果が公表され、大量の水の痕跡やアミノ酸が確認されたことがわかりました。
サンプルには水と反応してできた鉱物が豊富に含まれており、「リュウグウ」の元となった天体には、かつて大量の水があったことが考えられるほか、生命の誕生に関わりが深いとされるアミノ酸が多く検出されたことで、太陽系の成り立ちや、生命の誕生を考える手がかりになることも期待されます。
理科系の時事問題ですね。小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセル帰還は当時話題となりました。太陽系がどのようにできたのか、生命はどのように誕生したのかを知る手がかりにもなり得る今回のニュース。ぜひ興味を持ってほしい話題です。
【7】一時1ドル=135円台の円安、23年ぶり
6月13日、円相場が一時1ドル=135円台前半をつけました。これは23年8ヶ月ぶりの円安水準で、加速している円安に歯止めがかかりません。
2022年3月に入ってから急激な円安が進んでおり、3月1日は1ドル=115円程度だった円相場が3ヶ月ほどで20円も下落しています。この円安の流れは5月にいったんおさまった様子を見せていましたが、6月に入ると再び加速しました。
円安は一般的に、輸入に不利・輸出には有利と言われ、輸出企業にとっては収益が増える機会となります。一方で、速いペースで円安が進んでいることは輸入企業にとって予算感が狂い、収益の圧迫にもつながりかねない事態です。また、食料品価格の上昇が家計を圧迫する懸念もあり、今回の急速な円安は「悪い円安」ではないかという指摘もあります。
この急激な円安の背景には、日米の金利差の拡大があります。
アメリカなど世界各国では今まで、新型コロナで落ち込む景気を支えるため金融緩和政策が実施され、市場に大量のお金が供給されていました。その結果、物価が上昇してインフレ傾向になっていたほか、ロシアによるウクライナ侵略の影響でエネルギー価格や小麦価格が上昇したことも加わって、アメリカでは40年ぶりのインフレ率を記録しています。この歴史的なインフレを抑えるため、金融緩和政策から金融引き締め(政策金利の引き上げ)への転換が行われだしています。
一方の日本では2013年のアベノミクス以降、日本銀行は物価上昇率2%という目標達成に向けて大規模な金融緩和を続けてきましたが、現在のエネルギー価格が上昇している局面で金融緩和を止めると景気が悪化する恐れがあるとの見方から、金融緩和を継続する方針を崩していません。
一方の日本では2013年のアベノミクス以降、日本銀行は物価上昇率2%という目標達成に向けて大規模な金融緩和を続けてきましたが、現在のエネルギー価格が上昇している局面で金融緩和を止めると景気が悪化する恐れがあるとの見方から、金融緩和を継続する方針を崩していません。
- 円安ドル高:円の価値が安くなり、ドルの価値が高くなること(例:1ドル=100円→1ドル=120円)
- 円高ドル安:円の価値が高くなり、ドルの価値が安くなること(例:1ドル=100円→1ドル=80円)
なぜ円安が起きているのかまでの理解には高校レベルの知識としっかりした理解が必要です。中学生はまずは円安・円高の基礎的な知識を理解しておきましょう。
【8】通常国会が閉会
6月15日、通常国会が150日間の会期を終え閉会しました。この夏は参議院議員通常選挙(7月10日投開票)が予定されており、政府・与党は通常国会の会期を延長しませんでした。通常国会が閉会したことで、夏の選挙モードへと突入していきます。
また、野党の立憲民主党は9日、内閣不信任決議案を提出しましたが、反対多数で否決されました。
- 「こども家庭庁」設置法:2023年4月、子どもに関する政策の司令塔として「こども家庭庁」が設置される
- こども基本法:国連「子どもの権利条約」に基づき、すべての子どもの基本的人権を保障
- 改正刑法:侮辱罪の厳罰化、懲役刑と禁固刑を廃止して拘禁刑に一本化
会期末を迎えて多くの法案が成立しています。なかでも「こども家庭庁」設置法案は大きな話題であり、時事問題としても今後出題されやすくなります。
国会に関連して、通常国会・内閣不信任決議・参議院議員通常選挙についても教科書などで知識を確認しておきましょう。
【9】岸田首相、「内閣感染症危機管理庁」創設へ
岸田文雄首相は15日、公衆衛生分野の危機管理能力を強化し、次の感染症危機に備えるため「内閣感染症危機管理庁」を新設することを表明しました。
2020年からの新型コロナ禍では、施策を担当する部署が厚生労働省と内閣官房に分かれてしまっていたことが医療体制の強化やワクチン接種の遅れにつながったとの批判があったため、「内閣感染症危機管理庁」を首相直轄の司令塔として内閣官房に設置し、機能を一元化する見込みです。
岸田文雄首相は、昨年の自民党総裁選の際に「健康危機管理庁」創設を提唱しており、参院選を前に構想を表明した形です。
岸田首相の主要政策の1つですから、名称を知っておきましょう。
時事問題の学習で大切なこと
受験・入試での時事問題の勉強というと、とにかく「大事な用語を覚えよう」となりがちですが、それだけでは十分な学習とは言えません。
出題者は決して、「どれくらい用語を知っているのか」という知識量だけを知りたいのではなく、「いかにニュース・世の中に興味を持てているのか」「みずから学ぶ姿勢を持っているか」という学習姿勢も測るために時事問題を出題することが多いからです。
- ニュースや世の中に興味・関心を持つことができているのか
- 一部の分野だけでなく、さまざまな話題に興味・関心を持っているか
- みずから積極的・能動的に調べ、学び続ける姿勢を持っているか
- 深い学びをできているか(課題が何かを認識し、その解決策を考えることができているか)
教員のとき、実際に時事問題を出題していましたが、知識を問うだけでは出題する意味があまりなくなってしまうんですよね…(クイズのようになってしまい学習の本質から外れてしまうことが多いんです。)
ですから、時事問題を勉強する際は、ひとつひとつの時事問題について、みずから主体的に興味や関心を持って、今の世の中で一体何が起きているのかを学ぼうとする姿勢が大切です。
重要な用語を押さえることはもちろん、わからないと思ったことは調べてみたり、「なぜ?」という観点を持って日々のニュースに触れようとするその姿勢こそが、時事問題の学習を深めることになります。
- 重要な用語は覚えるだけでなく、意味も理解しておく
- 内容や用語でわからないことがあれば調べて理解しようとする
- ひとつひとつの時事問題について、自分なりの意見や考え方を持ってみる
そういった学びの助けになるよう、大切なポイントをこの記事でまとめましたから、ぜひそれらを参考に勉強してみてください。
また、同じテーマの内容を、より詳しく動画で学べるよう、YouTubeに動画をアップしているので、こちらも見てみてください。